■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第2回「音」ってなに? 音のしくみは面白い!・・・かな??

前回は、新型コロナウイルスに感染しないように、活動再開に向けて健康な身体づくりについてお話しました。

今回は、「音」・・・
私たちの周りには、人の声、音楽・楽器音、生活音、騒音などなど、無数の「音」があります。
改めて「音」ってなに? そのしくみを一緒に考えてみましょう。
私たちの奏でている「音」を別の角度から考えて、楽器の音や音楽創りに役立て、吹奏楽をより楽しんでいきましょう。

音とは・・・
物体が揺れて発生する「波」が空気などの媒体を伝わり、人の耳に届き聞こえます。

例えば、太鼓をたたくと、太鼓の皮が揺れます。この揺れ(振動)が周りの空気に伝わり、空気の揺れとなって次々と伝わっていきます。耳に届くと音として感じます。
発音体の振動によって空気が押され、押された部分の空気は密度が濃くなります。そして、この空気密度の濃い部分が近くの空気をさらに押していきます。この動きが次々と移動していくことで、空気密度の濃い部分と薄い部分が発生します。これが、「音の波(音波)」が生じている状態です。このように空気密度が濃い部分と薄い部分が交互にできることで生じる波を「疎密波」と言います。
(つまりは空気に圧力差が生じることによって、空気の圧力の高いところと低いところの圧力の変化の連続した粗密波によって音が伝わり耳に届きます)
例えれば、伝言ゲームやリレーでのバトンタッチをしていき繋げていくような感じかな。
相手に伝えるときには距離が縮まり密になり、受け取ったら次に繋げるまでには距離が離れるような・・・

う~ん? 理科や物理はちょっと・・・ぜんぜんおもしろくない!
まあまあ、チコちゃんに叱られない程度におつき合いしてくださいね。

図にすると、

図から密と疎の部分を取り出し、振動の回数との関係性をグラフ化してみます。
波形が上下に一回往復する間隔を「周期」、空気の振動の大きさを「振幅」と呼びます。
これを「正弦波」といいます。(図はヤマハのHPより引用)

【音の3要素】
私たちはさまざまな音を感知し、音の特徴は、周期と振幅の組み合わせで決まります。
「音の大きさ(音量)」、「音の高さ(音程)」、「音色」の
三要素によりそれぞれの音を認識しています。このことが楽器の演奏やアンサンブルでの重要なポイントになります。

1.音の大きさ(音量)
音の大きさ(音量)は、「音波」における「波の幅(振幅)の大きさ」に比例します。波幅が大きいと空気の圧力変化が大きくなり“大きい音”、波幅が小さいと空気の圧力変化が小さくなり“小さい音”となります。この圧力変化の量を「音圧」と言い、音の大きさは音圧によって決まります。
→大きな音は、小さな音を飲み込んでしまい、その差で最大音量が小さくなって しまいます。

2.音の高さ(音程)
音の高さ(音程)は「音波」における「波の数量」つまり一定時間における振動の回数で決まります。一定時間に振動(波の数)が多ければ音は高くなり、少なければ音は低くなります。
1秒当たりの空気の振動数で、「周波数」といい、単位はヘルツ(Hz)で表します。振動は一往復で1回と数えますので、1秒間に1回振動することを1Hzと定めます。
周波数の数値が高い場合に「高音」として認識され、周波数の数値が低い場合に「低音」として認識されます。
楽器はこの周波数を変化させることで音程の変化を生み出しています。例えば弦楽器では弦を指で押さえることで、弦が振動する際に起きる波の数を変化させ、奏でる音程に変化を付けているのです。人が認識できる周波数は20Hzから20,000Hz(20kHz)と言われています。また基準となる音に対して2倍の周波数の音が「1オクターブ上」の音程になります。
  →複数の音を鳴らした時、波の数(周波数)が違うと、音程にずれてうなりが聞こえてくるのね。

3.音色
音色は、音波の質の違いによって生み出されるものです。同じ音圧、同じ周波数であっても、その波の形が異なることで、人はその音色の違いを区別します。
音波によって生じる空気の密度の濃さなどはそれぞれの楽器などの音によって異なります。この波形の違いは「振動の仕方」が異なることで生まれます。振動の仕方は、音を発するものの素材や鳴らし方によって異なります。また、音が鳴るときには、さまざまな周波数をもった「倍音」が同時に鳴ります。この倍音も含めた音の構成の違いが、「音色の違い」として認識されるのです。

ここまでに示したような非常にシンプルなサイン波は、実際にはほぼ自然界には存在しません。(聴覚検査の信号音などがシンプルなサイン波音)
私達が普段耳にする人の声、楽器や音楽、生活音や騒音等はもっともっと複雑な音色を持っているのです。そして見た目も複雑です。そんな複雑な音色の違いを私達の耳は普段から聞き取っている。このことはとてもスゴイことなのです。(また別の機会に聞くと聴くについてのお話も・・・)
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
活動が再開され、好きな楽器を思い存分に演奏し音楽を奏でるとき、この「音の三要素=音量、音程、音色」を意識してみてはいかがでしょうか?
きっと、今まで以上に音が素晴らしく聞こえてきますよ。
(そうか、「音量、音程、音色」をパートや合奏での、「合わせる3つのポイント」にすればいいんだね)

次回は(3)「管楽器の音を出す」ついて考えます。

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