【コラム】富樫鉄火のグル新 第259回 『ブラスの祭典』20年

 21世紀を目前にひかえた1999年の夏は、やたらと暑かった。
 なぜ覚えているかというと、この夏、佐渡裕指揮、シエナ・ウインド・オーケストラの初レコーディングがあり、収録会場のすみだトリフォニー・ホールへ、汗を拭き拭き、ヒイコラ言いながら取材に通ったからだ。

 そのCD『ブラスの祭典』は、フランスの名門レーベル「ERATO」からの発売だった。
 日本の吹奏楽団が、フランスのクラシック・レーベルから新譜を出す、しかも指揮が、定期会員の減少などで不振だったラムルー管弦楽団を人気オケによみがえらせた佐渡裕とあって、ちょっとしたニュースになっていた。ERATOも、フランス本国からディレクターを派遣する力の入れようだった。
 このとき、佐渡&シエナは、リハーサル、(CDとほぼ同じ内容の)コンサート、レコーディングに、ぶっ続けで10日間を費やしていた。驚くべき力の入れ方だった。
 そして、収録曲を見て、驚いた。佐渡裕の指揮だというので、てっきりクラシック編曲ばかりかと思いきや、オリジナル名曲を含む、正統派の吹奏楽CDだったのだ。

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