
東京五輪のマラソン・競歩の会場が「札幌」になった。これに対し、「真夏の東京の酷暑は、最初からわかっていたはずだ」とみんな言うが、そうだろうか。招致のプレゼンで海外委員に向かって「東京の夏は、熱中症でひとが死ぬ暑さです」と誰か正直に言っただろうか。「福島の放射能は完全に制御されています」とか「おもてなしの精神でお迎えします」とか、調子のいいことばかり言って、真実は伏せられたまますべては進行したのではないか。
そもそも、最初に立候補したときの文書には「夏の東京はスポーツに最適」といった主旨の記述があったはずだ。要するに海外委員たちは、「渋谷スクランブル交差点」や、「浅草雷門」のデジタル修正映像を見せられ、夏の東京がさわやかな未来都市だとだまされて一票を投じたのだ。