
1991年7月5~6日、ウェストヨークシャーのデューズバリー・タウン・ホールで、キング指揮、ブラック・ダイク・ミルズによって録音されたイギリスの作曲家ジョージ・ロイド(1913~1998)のブラスバンド作品集。
ロイドは、交響曲、オペラ、管弦楽、室内楽、合唱曲まで幅広いジャンルで活躍したが、「低音主題によるディヴァージョンズ」や「イングリッシュ・ヘリテージ」など、ブラスバンドのフィールドにも名作を残した。ウィンド・バンド(吹奏楽)のために書いた「アーデンの森」は、日本でも知られる。
大成功に終わった1990年の2度目の来日ツアー翌年の録音で、録音メンバーにも、ロジャー・ウェブスター(プリンシパル・コルネット)、ナイジェル・フィールディング(ソプラノ・コルネット)、リー・リッグ(リピアノ・コルネット)、サンディー・スミス(テナーホーン)、ピーター・クリスチャン(バリトン)、モーガン・グリフィス(ユーフォニアム)、ノーマン・ロウ(トロンボーン)、フィリップ・グッドウィン(Ebバス)ら、日本を沸かせたプレイヤーの名が見られる。間違いなく当時のサウンドがする。
後にヨークシャー・ビルディング・ソサエティ(YBS)で大ブレークするキングが、ブラック・ダイクのプロフェッショナル・コンダクターをつとめたのは、1989年から1992年のわずかな期間だったので、これはレアな1枚だといえる。
オリジナルのイギリス・プレスのほか、アメリカ・プレスがあり、外装からの見分け方は、ジャケット上のAlbanyの商標の色が英盤が白、米盤は青であること。国やプレスが違うと音だけでなく、ジャケットも違い、なかなか面白い。米盤は、途中からCD-Rに変わった。
こちらは、商標が青のアメリカ盤だ。メーカー正規盤のCD-Rで、レーベル盤面も、きちんと製版・印刷がなされている。
【ブラック・ダイク・ミルズ・バンド】
ルーツは、1816年、ヨークシャーのクィーンズヘッド(現クィーンズバリー)の村に誕生した木管、金管、打楽器からなるウィンド・バンド(吹奏楽団)。しかし、存続問題が起こり、1837にクィーンズヘッド・バンドとして再出発。1855年、この村のバンドでフレンチ・ホルンを吹いていたジョン・フォスター&サン社の社長ジョン・フォスターが、メンバーをそっくり社員とし、新しい楽器とユニフォームを買い与えて今日のブラス・バンド編成とする。以降、ブラック・ダイク・ミルズ・バンドの名で活動。全英選手権、全英オープン選手権、ヨーロピアン選手権等における輝かしい優勝記録は、他の追随を許さず、「最も成功したバンド」としてギネス・ブックに登録される。SPレコードの時代から現在のCD、DVDなどの商業録音アイテムの数は350を超え、バンドとして世界一を誇る。1984年を皮切りに、1990年、2016年、2017年の計4度来日公演を行った。ジョン・フォスター&サンを離れた現在は、ブラック・ダイク・バンドの名で活動している。
■イングリッシュ・ヘリテージ~ジョージ・ロイド作品集
演奏:ブラック・ダイク・ミルズ・バンド
English Heritage and Other Music for Brass
John Foster Black Dyke Mills Band
【CD-R / アメリカ・プレス】
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4524/
【データ】
・演奏:ブラック・ダイク・ミルズ・バンド (John Foster Black Dyke Mills Band)
・指揮者:デヴィッド・ キング(David King)
・録音:1991年7月5~6日、Dewsbury Town Hall,(U.K.)
・発売元:米アルバニー (Albany USA)
・発売年:1991年
【収録曲】
【作曲(全曲)】:ジョージ・ロイド(George Lloyd)
- ロイヤル・パークス 【13:58】
Royal Parks
I) 夜明けの飛行 Dawn Flight 【4:18】
II)イン・メモリアム In Memorium 【5:46】
III)ホリデーズ Holidays 【3:54】 - 低音主題によるディヴァージョンズ 【11:22】
Diversions on Bass Theme - 夕べの歌 【11:41】
Evening Song - 英国軍艦トリニダード号のマーチ 【5:34】
H.M.S. Trinidad March - イングリッシュ・ヘリテージ 【16:55】
English Heritage
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