【コラム】富樫鉄火のグル新 第244回 タッド、佼成、シエナ

 6月14日(金)夜、タッド・ウインドシンフォニーの第26回定期演奏会(鈴木孝佳指揮/杉並公会堂)。前半のトリが、ヴァン=デル=ロースト《高山の印象》、後半はチェザリーニの交響曲第2番《江戸の情景》全5楽章(公式日本初演)。
 前者は岐阜の高山祭がモチーフ。後者は広重の浮世絵「名所江戸百景」がモチーフ。つまり、どちらもヨーロッパの作曲家が日本古来の題材にアプローチした曲で、うまい構成だった。前者は「和」風のピッコロで始まる(いかにも日本の祭りの笛)。祝典序曲のような曲だった。後者は、さすがチェザリーニといいたくなる熟練の響きで、なるほど、浮世絵はこんなイメージなのかと思いながら楽しんだ。第2楽章〈市中繁栄七夕祭〉など、《八木節》のようで、微笑ましかった。
 そういえば、ジュリー・ジルーの交響曲 第4番《ブックマークス・フロム・ジャパン》も、北斎や広重が題材だった。古くはドビュッシーの交響詩《海》も、また、真島俊夫《Mont Fuji》も、北斎の「神奈川沖浪裏」がヒントだったわけで、いまや浮世絵は、作曲の恰好のネタみたいだ。
 なお、チェザリーニの《江戸の情景》については、樋口幸弘氏が「BandPower」で密着レポートを発表しておられるので、お読みいただきたい。

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