【コラム】富樫鉄火のグル新 第239回「令和」が説くこと

 新元号「令和」時代がはじまった。
 どのメディアも、「令和」が、「万葉集」から取られたことを報じている。「万葉集」巻五に、「梅花の歌三十二首」なる歌群がある(815~846)。
 天平2(西暦730)年正月13日に、九州大宰府にある大伴旅人の邸宅で、梅を愛でる宴会が催された。そこで詠まれた32首をまとめ、(旅人が書いたと思われる)漢詩の序文が添えられた。そのなかに「初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぐ」とある。ここから「令」「和」を抜き出した。「令月」は、「よき月」を意味するという。
 まさに、大むかしの、のんびりした歌会の光景が目に浮かぶ。きれいな月が出ている夜、庭で、満開の梅を眺めながら、やんごとなきひとたちが、歌を詠んでいる……。

 だが、よく考えると――当時の1月13日は、現在の2月上旬だ。九州は暖かいとはいえ、梅が咲いているだろうか。

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