【CD】ブラック・ダイク~日本ツアー2017/Black Dyke Band – Tour of Japan 2017

「ダイクの前にダイクなし、ダイクの後にダイクなし」と謳われるイングランドの名門ブラスバンド“ブラック・ダイク”!

「日本ツアー2017」という日本語のタイトルがつけられているこのアルバムは、2017年に4度目の来日公演果たしたツアー・プログラムを、既発売アルバム等からピックアップし、演奏会場即売用に限定プレスしたコンピレーション盤だ!

アルバムは、イギリスの伝統的バンド・コンサートのスタイルで構成されている。

オープナーは、ジョージ・H・ウィルコックス(Major George H. Willcocks, 1899~1962)のマーチ『ザ・ポンダシャーズ』!

作曲者のウィルコックスは、バッキンガム宮殿の衛兵交代でおなじみのアイリッシュ・ガーズ・バンドの音楽監督(1938~1948)を退役後、1957年から1962年の間、ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(当時)のプロフェッショナル・コンダクターとして活躍。1959年および1961年の全英選手権、1957年の全英オープン選手権でブラック・ダイクをチャンピオンへと導いた。

正しく“ブリティッシュ”を感じさせるブリリアントなマーチだ!

近年のブラック・ダイクのレパートリー作りに大きな貢献をしている作曲家は、2017年の来日ツアーにもパーカッショニストとして参加したポール・ロヴァット=クーパー、そして、「エッセンス・オブ・タイム」や「巨人の肩にのって」など、世界的ヒットを飛ばし、かつてこのバンドの副指揮者や座付き作曲家をつとめたピーター・グレイアムの2人だろう。

ロヴァット=クーパーの『テール・オブ・ザ・ドラゴン』は、ブリティッシュなブラスバンド編成と打楽器を活用するマーチングで知られる熊本の専修大学玉名高等学校VENTURESの委嘱で作曲された曲だ。

曲名は、ストレートに日本語に訳すと“ドラゴンの物語”。その舞台は、なんと、恐ろしい“ドラゴン”に悩まされる“いにしえの日本”という設定だ。“ドラゴン”ということで、大陸から九州に伝わった中国風のタッチも随所に感じられる。

一方、ピーター・グレイアムの作品は、『トゥー・ボールドリー・ゴー』、『ブラブーラ』、『メトロポリス1927』、『ゲールフォース』の4曲が収録されている。

『トゥー・ボールドリー・ゴー』は、2015年に125周年を迎えた救世軍メルボルン・スタッフ・バンド(オーストラリア)のバンドマスター、ケン・ウォーターワースがそのセレブレーション・イヤーのために委嘱した作品だ。グレイアム最大のヒット作「シャイン・アズ・ザ・ライト」と同じスタイルで作曲され、救世軍で歌われる“アイル・ゴー・イン・ザ・ストレングス・オブ・ザ・ロード(I’ll go in the strength of the Lord)”と“アイル・ノット・ターン・バック(I’ll not turn back)”のメロディーがフィーチャーされているところに、思わずニヤリとさせられる。

『ブラブーラ』のオリジナルは、2002年10月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された全英ブラスバンド選手権の審査の間に行われたブラック・ダイク・バンドとインターナショナル・スタッフ・バンドのジョイント・ガラ・コンサートのために書かれ、 初演時のタイトルは「イギリス民謡によるブラブーラ・ヴァリエーション (Bravura Variations on British Folk Songs)」だった。

初演時には、デヴィッド・チャイルズ, デリック・ケイン, スティーヴン・ミード, デヴィッド・ソーントンによるユーフォ二アム4重奏に、1日だけ復活したニコラス・チャイルズとロバート・チャイルズの伝説のユーフォ二アム・デュオ“チャイルズ・ブラザーズ”が加わるという、超豪華ソロイストのそろい踏みで演奏された。このCDでは、2017年ツアーで日本初お目見えとなり、注目を集めたダニエル・トーマスのソロで収録されている。

『メトロポリス1927』は、100年後の未来都市を描いたフリッツ・ラング監督のSF映画「メトロポリス」(1927年公開)から得たイメージを音楽で表現した作品だ。インスパイアーされた映画はサイレント・ムービーであり、曲はもちろんグレイアムの完全なオリジナルだ。

「ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2015」に出場したブラック・ダイクが“フリー・チョイス・テストピース(自由選択課題)”として演奏、優勝を飾った作品でもある。

そして、ブラスバンドでも、ウィンドオーケストラでも盛んに演奏される『ゲールフォース』。スコットランド生まれの作曲家だけに、ケルト風タッチとリズムで否が応でも盛り上がる趣向となっている!

単独でソロがフィーチャーされているプリンシパル・コルネット奏者リチャード・マーシャルのソロも聴き逃せない!

トラディッショナルなコルネット独奏曲のフランク・サイモンの『ウィロー・エコーズ』で聴かせる甘いサウンドと高いスキルは、さすがにブラック・ダイクのプリンシパル!トランペットとはまるで違う、コルネットの魅力は、こういうソロ曲を聴けばよくわかる。会場でも“やんや”の喝采を受けていた。

ダーロル・バリー、ロビン・デュースハート、レイ・ファーという3人のアレンジをまとめた『 007/ジェームズ・ボンド組曲』には、フリューゲルのゾーイ・ハンコックやバリトンのカトリーナ・マーゼラ、ソプラノ・コルネットのマーティン・アーウィンら、スター・プレイヤーのソロが満載!!

来日記念盤らしく、ブックレットには公演メンバーが写真つきで紹介!

ブラック・ダイクのサポーターには見逃せない完全限定アルバムだ!

■ブラック・ダイク~日本ツアー2017
Black Dyke Band – Tour of Japan 2017

https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4445/

・演奏団体:ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)
・指揮者:ニコラス・チャイルズ(Professor Nicholas J. Childs)
・発売元(自主制作):ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)
・収録:Morley Town Hall (U.K.)
・発売年:2017年

【収録曲】

  1. マーチ・ザ・ポンダシャーズ/ジョージ・ウィルコックス 【2:32】
    March The Pondashers/George Willcocks
  2. テール・オブ・ザ・ドラゴン/ポール・ロヴァット=クーパー 【7:56】
    Tale of the Dragon/Paul Lovatt-Cooper
  3. ウィロー・エコーズ/フランク・サイモン 【4:03】
    Willow Echoes/Frank Simon
    コルネット(Cornet):リチャード・マーシャル(Richard Marshall)
  4. トランペット・ブルース&カンタービレ/ハリー・ジェームズ(arr. ビル・ゲルダード)【2:52】
    Trumpet Blues & Cantabile/Harry James(arr. Bill Geldard)
    コルネット・セクション・フィーチャー(Cornet Section Feature)
  5. マック・ザ・ナイフ/クルト・ヴァイル(arr. ゴフ・リチャーズ) 【2:29】
    Mack the Knife/Kurt Weill(arr. Goff Richards)
  6. トゥー・ボールドリー・ゴー/ピーター・グレイアム 【7:51】
    To Boldly Go/Peter Graham
  7. ブラブーラ/ピーター・グレイアム 【4:44】
    Brabura/Peter Graham
    ユーフォニアム(Euphonium):ダニエル・トーマス(Daniel Thomas)
  8. 007/ジェームズ・ボンド組曲
    James Bond 007 Suite
    I) 女王陛下の007/ジョン・バリー(arr. ダーロル・バリー) 【2:20】
    On Her Majesty’s Secret Service/John Barry(arr. Darrol Barry)
    II) 007/私を愛したスパイ/マーヴィン・ハムリッシュ(arr. ロビン・デューハースト)【3:21】
    Nobody Does It Better/Marvin Hamlisch(arr. Robin Dewhurst)
    III) 007/死ぬのは奴らだ/ポール・マッカートニー(arr. レイ・ファー) 【4:03】
  9. メトロポリス1927/ピーター・グレイアム 【15:38】
    Metropolis 1927/Peter Graham
  10. ゲールフォース/ピーター・グレイアム 【6:42】
    Gaelforce/Peter Graham

【このCDをBPショップでチェックする】
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4445/

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください