【コラム】富樫鉄火のグル新 堺屋太一さんの「女子プロレス」と「N響」

 堺屋太一さんは、女子プロレスの大ファンだった。
 あるとき、半ば照れるように目を細めて(普段から細目だったが、さらに細くして)、「あなた、女子プロレス、お好きじゃないかな?」と訊かれた。

 正直いってあまり興味がなかったので「いや~、あんまり……」と口を濁して「先生は、お好きなんですか?」と返すと、はっきりした口調で「好きなんです。もう大好きなんですよ」とうれしそうに言った。これには驚いた。

 どうやら、女子プロレスの草創期からファンのような口調だった。時間を見つけては、リングサイドで観戦するのだという。この当時(1983~84年頃)は、クラッシュ・ギャルズ、ダンプ松本、ブル中野といった、わたしでも名前を知っている女子プロレスラーが大人気だった。小柄な体格で、難しい経済の話を立て板に水のように話す堺屋さんに、そんな趣味があるとは意外だった。高校生のころ、ボクシングをやっていたと聞いたので、もともと格闘技はお好きだったのかもしれない。

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