【コラム】富樫鉄火のグル新 第223回《ワインダーク・シー》をめぐって

 わたしの中学生時代、TBSラジオで、毎週日曜日の深夜、「深夜版ラジオマンガ」なるドラマ・シリーズがあった。小島一慶のナレーションに、水森亜土、野沢那智、白石冬美、内海賢治といったベテラン声優が出演していた。その中で、忘れられないのは、1973年の『望郷ロマン/明日は帰ろうオデッセイ』だ。いうまでもなく、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』のドラマ化だが、内容は換骨奪胎のドタバタ・コメディ。いつまでも家に戻れないオデッセイの旅を描くもので、バカバカしいお色気シーンが人気だった(「あ~ん、そこじゃなくて、もっと上よ~」……実は、背中をかいてもらっているだけ)。お笑いとはいえ、当時の中学生は、この番組で古代ギリシャの叙事詩を知ったのである。

 2月9日(土)の、シエナ・ウインド・オーケストラ第47回定期演奏会で、ジョン・マッキー作曲、吹奏楽のための交響詩《ワインダーク・シー》が、全曲演奏される(指揮:渡邊一正)。最近、抜粋がコンクールでよく取り上げられる人気曲だ。この曲も、原典は『オデュッセイア』である。

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