【コラム】富樫鉄火のグル新 第209回 他人に見せちゃいけない顔

文楽へ行くたびに、人形づかいは、よくあれだけの肉体労働をしていながら、無表情でいられるものだと感心する。
作詞家の阿久悠さん(1937~2007)は、かつてウェブサイトで「ニュース詩」を発表していた。その中に『金の年』と題する詩がある。こんな冒頭部だ。

「あるとき 父親に云われた/人間には/他人に見せちゃいけない顔が/五つある
飯をかっ喰う顔/便所で力みかえる顔/嫉妬で鬼になった顔/性に我を忘れる顔
そして もう一つ/金の亡者になった顔」
(『ただ時の過ぎゆかぬように 僕のニュース詩』より/岩波書店、2003年)

これは、2000年暮れ、「今年を表す漢字一字」として《金》が選出されたとのニュースを題材に書かれた詩である。

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