A:オーケストラに入られたのですね。
「音程」が合わない!このことは音楽をやっている誰もが悩む永遠の課題かもしれません。
さて、「音程」は生き物ですから、合わないということは悪いことではありません。しかし、「合わせないこと」ではダメなのです。オケに所属した金管さんからは「合わせたい!」という気持ちが伝わってきます。
奏者は一人一人個性があり、それぞれの考えがあります。「音程」は各自が主張する意見と同じだと思います。意見も目標を同じくした相手との話し合いにより良いものにしていけます。ですから、相手の音を聞き、「合わせていく」というより「寄せていく」「歩み寄る」ようにして、感じあい響きあうことを大切にしてください。
方法としては、チューナー等から各自の基準音を決めてから、他の楽器の音に対して「楽器の管長を変化調整させて」寄せてみてください。口だけで調整すると、音が悪くなってしまいます。いつもベストなフォーム、アンブシュアーそして息のコントロールを心がけてください。
次に楽器の特徴をお話しします。弦楽器は温度上昇で音程(基準ピッチ)が下がる。管楽器は温度上昇で音程が上がる。という正反対の特徴があります。このことを考慮して調整しないとなりません。
また、オーケストラでは弦楽器が多人数パートとして、各弦楽器セクションがユニゾンをしっかり合わせています。多人数弦楽器に少人数の小回りの利く管楽器奏者が寄せていき「合わせどころ」に誘導してみてはどうでしょうか?
吹奏楽でもクラリネットセクションに合わせていくのも、音程が安定している楽器というだけでなく、楽団の中で多人数を占めているからという考え方をすれば理解できるのではないかと思います。
ぜひオケのメンバーと楽器で会話をしていってください。
回答:五十嵐 清