【コラム】富樫鉄火のグル新 第191回 映画『貴族の階段』

かねてから観たかった、映画『貴族の階段』(1959年、大映)をやっと観た(2月7日、池袋・新文芸坐にて)。

原作・武田泰淳、脚本・新藤兼人、音楽・黛敏郎、監督・吉村公三郎。

武田泰淳の魅力のひとつは、妙にとりとめのない展開にあるが(埴谷雄高は「悪文の名文」と呼んだ)、ここでは、その「とりとめのなさ」が、面白く物語化されていて、さすがは新藤兼人の脚本だと感心した。冒頭も、原作の有名な書き出し「今日は、陸軍大臣が、おとうさまのお部屋を出てから階段をころげおちた。あの階段はゆるやかで幅もひろいのに、よく人の落ちる階段である」そのままの場面から始まる。

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